髪の毛はなぜ痛む?
傷みやすい髪質
まずは髪の毛一本一本の構造についてお話します。
髪の毛は外側から順にキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、メディラ(毛髄質)の3層に分かれています。海苔巻きのようなイメージです。
髪の毛の中心にあるメディラは髪の毛のコシやハリに影響しています。コルテックスは潤いや髪色などに一番大きく作用する部分で、毛髪の85~90%を占めています。たんぱく質やメラニン色素などを含む繊維状ケラチンでできています。
外側にあるキューティクルはうろこ状の硬い細胞で、根元から毛先に向かってタケノコの皮のように重なっています。
主に髪のツヤを保ち、外部の刺激から髪を守る役割をしています。
このキューティクルがダメージを受け剥がれてしまうと、髪の水分が蒸発しやすくなり、コルテックスの損傷(タンパク質が失われる)の原因になります。すると、パサパサしたりゴワついたりといった「髪が傷んでいる」状態になるのです。
傷みやすさはキューティクルとコルテックスの差
太い毛質の人はコルテックスの密度が高く、キューティクルも厚いので傷みにくい毛質と言えます。逆に、髪が細くて柔らかい人は、コルテックスの密度が低くキューティクルが薄い状態で、外部からの刺激を受けやすく傷みやすい髪質となります。
傷みやすさに差はありますが、軟毛、硬毛のどちらであっても、外的な要因でダメージヘアになるので注意が必要です。
髪が傷む外的要因
・物理的ダメージ
濡れている髪は、キューティクルが開いているのでダメージを受けやすい状態。入浴後に髪を乾かさずに寝る場合、髪同士や枕との摩擦によりダメージを受けてしまいます。
また、髪の毛を強い力で縛り続けているとコルテックスの繊維が少しずつ切れていき、切れ毛のトラブルが起こりやすくなります。
・熱によるダメージ
高温のドライヤーを近くであて続けたり、180℃を超えるコテやヘアアイロンを何度も使っていると、髪の毛はやけど状態となります。
ドライヤーやアイロンを使用する際は、髪を保護してくれるヘアオイル等を使用してダメージを軽減させましょう。
・紫外線によるダメージ
髪の主成分であるケラチンタンパク質(複数のアミノ酸が結合したもの)が分解されてしまいます。これは紫外線を浴びることによって発生した活性酸素が原因。またキューティクルが剥がれやすく、内部の水分が失われ、枝毛や切れ毛の原因となる。
・薬剤によるダメージ
ヘアカラー剤やブリーチ剤、パーマ剤などの薬剤によるダメージ。短期間で何度もおこなう、未処理や施術ミス、タイムオーバーなどでダメージを受けてしまう。
髪の毛は日常生活の中でどうしても傷んでいってしまうものなので、4か月以上髪を切っていない人の毛先はかなり傷んだ状態になっています。
髪の毛を伸ばそうとしている方でも2~3ヶ月に1回程度は美容室で切ってメンテナンスすることをおすすめします。